やさしさに包まれる、異世界スローライフ【神達に拾われた男】

『神達に拾われた男』とは？

引用元　神達に拾われた男 – Wikipedia

主人公の竜馬は元は地球のサラリーマンだった。（ブラック企業に勤務）ちょっとした事故で命を失ってしまい、地球ではない世界（セイルフォール）の神様たちに魂を転生させてもらえることになる。そうして新たな命を授かった竜馬はリョウマとして新しくセイフォールで生きていくことになる。

とりあえず転生したのはいいものの身体は8歳のこども。足元には神様たちから与えられた説明書でだけ。そして目の前にはスライムが一匹。初めて見るスライムに興奮してリョウマは説明書を読みながら、スライムを使役（従えさせる）させることに成功する。そうしていくうちに次第にスライムの使役していく数がどんどん増えていき、スライムの研究に没頭するのだった。

ようは現実のブラックな生活とおさらば！異世界でスライム研究に没頭する新生活の始まり！って感じのストーリーです。

現実世界でブラック企業に勤めている男性が事故で死亡し異世界で転生されて新たな人生を送る話です。この手の話は割と飽和状態なので異世界転生と聞くだけで毛嫌いしてしまうかもしれません。ただ少し他と違うのがスライムを使役して商いをしていくお話になっています。（詳しくは↓で説明していきます）

前世では苦い記憶だった、ブラック企業時代の生活。正直このときの記憶は忘れたいであろう記憶を思い出して、今の経験に生かす。ここがけっこう好きです。

本来であれば過去の記憶は極力思い出さないように、今に目を向けて、これからを考える。普通ならこの思考になるのですが、この主人公リョウマは過去から目を背けない人物です。
過去に嫌なことがあったからこそ、自分がされたら嫌なことは他人にしない。非常に相手のことを思いやれる人物です。見ていてとても好感をもてる主人公です。

スライムを使った商いをする少し変わった物語

異世界生活でまさかの商い！？スライムの研究に没頭しすぎたリョウマだからこそできる芸当に思わず笑えます。なにが凄いって異世界に転生したのに3年間、一人でスライムの研究をしていたことです。

リョウマは異世界に転生される際、神様たちから色々な加護を授かっています。（わりとチート級のスキルを授かっている）そんなにすごい力をもらっているのに、まさかのスライムの研究に使う。斜め上の発想とストーリーです。

この作品、異世界転生ものなんですが魔王やら勇者やらが戦ったりするバトルものではなく、スライムを使役して研究して商いをしていくファンタジーものです。バトルものは少し見飽きたな…という方や、少し斜め上（予想ができない）のファンタジー作品を見たい方にオススメです。非常にストーリーが面白い作品となっております。

スライムに詳しい少年か…。変わってるな…。なるほどそういうこと！と1話から惹きこまれるストーリーにワクワクさせられました。
異世界ものなのにバトルにはそこまで重点を置いていない。むしろスライムを使って何をするのか？に重きを置いている作品でした。個人的にはこういう先が読めないストーリーは大好きです。

少しだけ懸念があるとすれば、あまりバトルものではないため、アクションパートの作画や全体のテンポ感が遅いと感じるかもしれません。全体的に絵柄（良作画や絵の丁寧さ）などは凄いと呼べるシーンはないものの、ストーリー自体は非常に楽しめる作品です。

それにこの作品は人を不快にさせる演出がほぼないという所もオススメポイントの一つだと思います。どんな作品も必ず人に不安やら不快にさせるストレスを与える演出を入れのですが、『神達に拾われた男』という作品はそのストレスを与える演出がありませんでした。見ていてこんなにも不快にさせない、気持ちのいい人たちが大勢いる世界に驚きと同時にニコニコさせられた物語でした。